セレンディールことわざ辞典

ことわざは、人々の経験や知恵、生物や社会へのまなざし、遊び心などを凝縮して生まれ、それが膨大な時間によって磨き上げられてつくられた、ことばの宝石です。それ故、数文字から長くても数十字程度の簡潔なことばの背後には、広く、深い、豊かな世界が隠されています。
『セレンディールことわざ辞典』は、ことわざ自体の説明とは別に、ことわざを理解するための前提知識となる由来となった出来事や生物、人物、文化などについても「訳注」(本作品は、セレンディール世界のことわざを日本語に翻訳したという形をとっています)で解説をしています。
まだまだ、「星空」と呼ぶには小さすぎますが、それでも、『セレンディールことわざ辞典』は、セレンディール世界の一端を、かすかに照らすことができるくらいにはなりました。あなたにとっても、輝きを感じる宝石が見つかったならば、これほど嬉しいことはありません。
本サイトでも、一部ですがご紹介いたします。お楽しみいただけましたら、アプリ版もぜひよろしくお願いいたします。
ABOUT
Sho Ryuno / 竜野 将
セレンディール世界を、特定の表現形式を定めず、様々な角度、手法で伝えること(「世界に原作なし」)を目的とするSelendeel Projectを実行中。
主な作品に、セレンディール世界のことわざを1000語以上(2026年現在、1400語)収録した『セレンディールことわざ辞典』、数百種のセレンディール生物ペン画、セレンディール世界の旋律《太古から》などがある。
幼少時より生物をこよなく愛し、中学1年生時に『ハンミョウの研究』、中学2年生時に『淡水エビの研究』にて船橋市児童科学論文・工夫作品展(科学論文の部)でそれぞれ入賞・入選、また、たまたま出会ったネコを撮ったり、気が向いた時に絵を描くこともある。
書店でランダムに手に取った本が13刷だった場合は、どんなジャンルのどんな本であろうが必ず買って読む。
現在、タマクルム100種類(全種類、自作ペン画あり)の『タマクルム事典』と、セレンディール世界の本を紹介する『セレンディール・ブックレビュー』および『セレンディール・ブックデータベース』を執筆・Web公開中。
広々間取り広い広いとはしゃぐも雨バシャバシャ雨漏りでビシャビシャ穴ふさぐも漏れ出て鬱ぐ
【ひろびろまどりひろいひろいとはしゃぐもあめばしゃばしゃあまもりでびしゃびしゃあなふさぐももれでてふさぐ】
欠点が長所を台無しにするほどに甚だしいこと。
腐臭学ぶに及ばず
【ふしゅうまなぶにおよばず】
腐臭は、初めて嗅いだ時でも、それが臭く不快なもので、(食べ物なら)食べたら危険であるということが、誰かに教わっておらずとも、すぐにわかる。転じて、粗暴な態度を取ったり他人の悪口を言い立てたりするような醜悪な振る舞いをする人間は、印象の通りの醜悪な人間であるから、関わってはならない、という教え。
肉守って己が肉となる
【にくまもっておのれがにくになる】
肉に引き寄せられてきた猛獣から肉を守ろうとして、自分自身が獲物にされてしまう。転じて、大事にしているものに固執し過ぎてもっと大事なものを失ってしまうこと。
肉持って森を歩きゃ獣が寄るのは当たり前
【にくもってもりをあるきゃけものがよるのはあたりまえ】
他者が欲しがるようなものを見せびらかせていれば、それを手に入れようと考える危険な者があらわれるのは当然のことだ、という戒め。自業自得。
干し肉縮み
【ほしにくちぢみ】
損をしたような気分になることや、ショボいと感じるもののたとえ。干し肉を作ってみたら、元の大きさよりかなり縮んでしまい、損をしたような気分になる、の意から。
干し肉の小さきを嘆く
【ほしにくのちいさきをなげく】
干し肉を作ってみたら、元の大きさよりかなり縮んでしまったと嘆く。転じて、結果が予想より貧弱でがっかりすること。
生焼けの肉は腐肉よりこわい
【なまやけのにくはふにくよりこわい】
腐肉であれば、絶対に食べようなどとは思わないが、一見、焼いてあるように見える生焼けの肉は、そうと気づかずに食べてしまい、食中毒になる。転じて、中途半端な仕事をするくらいなら、何もしないほうがマシである、の意。
腐ってから腐っても遅い
【くさってからくさってもおそい】
面倒臭がって後回しにするなどしておきながら、手遅れになったからと嘆いたり文句を言ったりするな、の意。
腐ってから干しても遅い
【くさってからほしてもおそい】
肉が腐ってから干し肉にしようとしてももう遅い。転じて、やるべきことを後回しにして、それが問題になってしまってから慌ててやっても、失われた信用などはもう取り戻せない、という戒め。
腐る前に干せ
【くさるまえにほせ】
やるべきことは、さっさとしてしまったほうがよい、の意。当たり前のことをわざわざ言わせるな、というニュアンスを含む。肉が腐ってから干しても遅い、ということから。
肉は腐る前に食べよ
【にくはくさるまえにたべよ】
やるべきことは、さっさとしてしまったほうがよい、の意。当たり前のことをわざわざ言わせるな、というニュアンスを含む。
腐肉に新しいも古いもあるか
【ふにくにあたらしいもふるいもあるか】
実質的に、価値が無くなってしまう基準を下回ってしまったら、その程度の差などどうでもよい、の意。
腐肉戻しは成らず
【ふにくもどしはならず】
腐らせてしまった肉を、腐る前に戻すことは出来ない。転じて、人間関係や社会的評価は、不誠実なことをやって信頼を損ねてしまったら、もう元には戻せないという戒め。