レムールに震えてレルン蹴る

【れむーるにふるえてれるんける】

愚者は柔和さを弱さとしか判断できない、の意。

野獣の王と呼ばれる巨大肉食獣であるレムールには恐れて震えるが、そのレムールをも追い払うほど強いが性質が穏やかなレルンには粗暴な態度で接する、の意から。

訳注

レムール

「野獣の王」と呼ばれる最大最強の陸上肉食動物。

古代より数多の神話や伝説、文学や歌、美術品などでその圧倒的な強さ、美しさを称えられ、またその恐ろしさが伝えられてきた。

個体数は非常に少ないが、遭遇すれば死は確実と言われ、「絶対の死」の象徴にもなっており、レムールに滅ぼされた民族や村なども実在する。

レムールには気品や気高さ、誇り高さといったイメージもあり、王族や貴族の紋章などにもよく用いられていた。

レルン

陸上最大級の草食性動物。非常に暖かく丈夫で肌触りの良い、良質な毛が一頭から大量採れるため、古代から飼育されてきた。

レムンとの極めて緊密な共生関係(レムンがレルンの幼獣の世話をし、レルンはレムンを天敵から守る)が古の時代よりよく知られ、その関係を題材とした神話や民話、詩や音楽、美術や工芸などが作られ賞賛される一方、その生態を利用して、生きたレムンの四肢を切断するなどして苦痛、恐怖の悲鳴をあげさせ、これをきいて凶暴化して向かってくるレルンを銃や矢で撃ち、剣や槍でとどめを刺すことをスポーツと称した、かつては実在したという事実を認めるにも人類として苦痛と恥辱を感じずにはいられない醜悪且つ残虐な蛮行も、セレンディール文明が誕生するまで続けられてきた。

その人禍およびレルンとレムンの関係性が、現在まで続く、史上唯一の世界統一文明であるセレンディール文明誕生の礎となったことを直接表す、あるいは含意することわざが、セレンディール文明誕生以後に生まれたものには多い。