ミーリィ移し

【みーりぃうつし】

非常に残虐であること。

訳注

ミーリィ

群れで獲物を襲う水棲の捕食生物。

背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように獲物の体に切りつけ、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。

実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。 

「群禍」と呼ばれることが最も多いが、他にも「常飢」「虐移し」など様々な名で呼ばれてきた。

「○○移し」

「○○移し」という表現は、ラヴェニール文明時代の、絶対美を表す言葉「夕移し」から派生したものであるとされており、史上初の世界統一をなしたセレンディール文明誕生直後に起こった、世界規模の怒濤とも言える文化交流の中で多くの派生語を生んだ。

すでに馴染んでいる事象や固有名詞と簡単に組み合わせて、誰にでも意図が伝わりやすく、シンプルかつ調子良く語尾をしめる造語をしやすいことから、現在でも(粗製濫造気味に)造語され続けている。実際、「何でも移し」(安直な発想の意)など、この「移し」を利用した造語自体を揶揄することわざもあるほど。

特に多いのが、セレンディール文明誕生以前の有名な人物名との組み合わせで、由来となったラヴェニール文明時代には、個人名との組み合わせ表現は見られないことから、その差異が研究対象になるなど注目された。