醜欲産美

【しゅうよくさんび】

醜い欲望が、美しいものを生み出す糧となる、の意。

旋律画の創始者として知られる、ラヴェニール文明時代の伝説な名画家ヴァナス・リエンの逸話が由来。

訳注

ヴァナス・リエン

ラヴェニール文明の画家、旋律画家。「旋律画」の創始者として知られる。ヴェルナトールの元で数々の名画、そして旋律画の創始及び名作を残した。最高の画家とは誰かという話題では、必ず候補に挙がる人物。

ヴァナス・リエンが旋律画の手法を編み出したのは、ラヴェニール文明において絶対権力者として君臨したヴェルナトールの妹にして絶世の踊り手リューズレイの美しさを、これまでの「絵画」では、ほんの一部しか表現できないことに絶望したことからであるという逸話は有名。

リューズレイに恋慕し、正気を失い、リューズレイを強奪しようとして綿密に計画を練り、莫大な全財力を注ぎ込んで、徹底的に訓練した部隊まで用意して襲撃したが、返り討ちにされた。その後、ヴェルナトールにより、「描くだけの怪物」に「改造」され、おぞましい姿となって、完全に発狂して何も描けなくなるまでに、今なお、「人間の業を超えた偉大な作品」として多くの人々の心を捉えている大量の傑作群を残した。

作品の素晴らしさもさることながら、その生き様もまた、伝説的と呼ぶにふさわしい、異常とも言えるものだったことから、多くの物語作家のインスピレーションを刺激し、この事件を題材とした作品を多数生んだ。彼は自身が偉大な芸術家であり、また、多くの芸術家を生んだ“題材”でもあった。